例年に比べ春の訪れが早く、新入生の入学を待ちわびた桜咲くこの佳き日、副市長　大内保彦様をはじめ、多くの来賓の皆様と保護者の皆様のご臨席をいただき、ここに令和五年度千曲市立戸倉上山田中学校入学式を挙行できます事を感謝申しあげます。
　入学された175名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。今日から皆さんは、戸倉上山田中学校の1年生です。先生方も先輩たちも皆さんの入学を心待ちにしていました。皆さんはどうでしょう。この日を楽しみにしていましたか。不安でしたか。緊張感のある皆さんの表情から、これから始まる中学校生活に、胸を膨らませている様子がここまで伝わってきます。新しい生活を切り拓いていくのは自分自身。皆さんには、何事にも前向きに取り組み、互いを思いやり、協力し合って、楽しく充実した3年間を送ってほしいと願っています。
　さて、本校の学校教育目標は「自立した生徒を育成する」です。自立とは、自分で考え、自分の意思で行動することができることです。皆さんには、いけないとわかっていたことをやってしまったり、友達がいやだと思うようなことしてしまったりした経験はないでしょうか。そんな、行動はみなさんの自立を妨げることとなってしまいます。本校には、「魂・智・和」という合言葉があります。魂は「たましい」という字です。自分の行動に思いを込めましょう。智は「叡智」の智です。先生、友達と学び続けましょう。最後の和は「平和」の和です。仲間を大切にしましょう。魂智和を通して3年間で自立する自分を確立させましょう。
　しかしながら、学校生活がいつも楽しいとは限りません。つらいとき、悲しいときは友達、家族、先生に相談してください。人は一人では乗り越えられないこともあるのです。相談することははずべきことではありません。声を上げる勇気、このことも自立へむけて自分を成長させてくれます。
　保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。大切に育んでこられたお子様の中学校への入学の喜びはいかばかりかと存じます。心からお祝い申し上げます。千曲市の掲げる「一人ひとりの個性を照らす　生きる力と夢を育む育ちを支え、人がつながる千曲の教育」の理念のもと、学校目標「自立した生徒の育成」の実現に向け、皆様のご期待に答えるべく、職員一同努めて参ります。しかしながら、生徒同士や教師との関わりの中では様々な場面が生じます。その場面こそが生徒を大きく成長させるチャンスではありますが、ご心配なことなど、何でもご相談ください。今日から、共にお子様のよさを語り、さらに伸ばすための営みを重ねてまいりましょう。学校へのご理解とご協力の程、お願い申し上げます。
　最後になりましたが、ご来賓の皆様、本日はお忙しい中、入学式にご臨席いただき誠にありがとうございます。中学生時代は、地域や社会の一員としての自覚を育てる時期でもあります。多様化の今、地域の力なくして学校は立ち行きません。今後とも、地域と学校が力を合わせ、協働活動を通して、未来の千曲市を担う子どもの育成と学校づくりへのお力添えをお願い申し上げます。
　入学した175名の新入生を、ここにいるすべての皆様と共に育てていく幸せに、感謝申し上げ、式辞とさせていただきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和五年四月六日　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千曲市立戸倉上山田中学校長　　中野　禎仁